気候変動に関する政府間パネルのこと。1988年、WMO(世界気象機関)とUNEP(国連環境計画)によって発足した。三つの作業部会(Working Group : WG)があり、第1作業部会(WG1)は科学的知見を、第2作業部会(WG2)は影響評価を、第3作業部会(WG3)は緩和策を中心に作業を行っている。日本では、WG1は文部科学省と気象庁が、WG2は環境省が、WG3は経済産業省が中心になり、多くの研究者が参加している。90年に今までの知見を集めた第1次報告書を発表し、引き続き、92年に補遺、96年に第2次報告書、2001年に第3次報告書、07年に第4次報告書が発表された。その後のIPCCの活動をどのように行うかについて議論が行われていたが、結局、第5次報告書をまとめることに決定し、この活動に向けて、新しい体制が、08年9月のIPCC総会で決定された。それによると、議長には、前回と同様、インドのパチョウリ博士が、副議長には、シエラレオネ、ベルギー、韓国から1人ずつが選ばれた。また、作業部会の共同議長には、発展国と発展途上国からそれぞれ選ばれることになっており、第1作業部会の共同議長には、スイスのストッカー教授と中国のチンダヘイ博士が、第2作業部会の共同議長には、アメリカのフィールド博士とアルゼンチンのバロン博士、第3作業部会の共同議長には、ドイツのエデンホーファー、キューバのピックマドルカ博士、マリのソコナ博士が選ばれた。日本の平石博士は、ブラジルのクルーグ博士とともに、タスクフォースの共同議長に再選された。