地球上での炭素の循環のこと。大気中の二酸化炭素は自然の状態でも変動している。火山などから大気中に放出された二酸化炭素は海洋に溶け込んだり、植物の光合成により有機物に変えられる。一方、植物や動物は呼吸により二酸化炭素を大気中に放出する。また、土壌中の有機物は腐敗分解により二酸化炭素を放出する。このように、地球上では二酸化炭素は循環している。この炭素循環が重要と考えられている背景には、今後、人間活動に伴う二酸化炭素の放出が続いた時に、どの程度の二酸化炭素が大気中に存在するかが不確定だからである。「温暖化に伴い、光合成が盛んになる」という意見や、「土壌中の分解が加速され、さらに温暖化が進む」などの意見が出されている。より信頼度の高い温暖化予測のためには、将来の大気中の二酸化炭素量の信頼できる値が必要となる。