2007年5月24日、国際交流会議「アジアの未来」晩餐会で、安倍晋三首相(当時)によって発表された地球温暖化問題に対応する日本のビジョン。引き続く、同年6月6~8日にドイツで開かれたハイリゲンダムサミットで、日本から提案された。まず最初に、「2050年の美しい星、地球に招待する」ために、温室効果ガスの「世界全体の排出量を現状から2050年までに半減」という長期目標を提出し、その達成のために、「革新的技術開発」と「低炭素社会づくり」という長期ビジョンを提案したことが重要である。引き続いて、京都議定書以降の13年から50年に向かう中期戦略に関して、(1)主要排出国がすべて参加し、京都議定書を超え、世界全体での排出削減につながること、(2)各国の事情に配慮した柔軟かつ多様性のある枠組みとすること、(3)省エネなどの技術を生かし環境保全と経済発展を両立すること、という提案を行った。「2020年までなどの中期目標に関する具体的な記述が無い、規準年があいまい」などの批判も聞かれるが、日本の政治家が地球温暖化に関する見解を国際的に述べたのは初めてであり、その意味では、画期的なことである。日本国内では、この提案に基づき具体的な政策づくりが行われつつある。