国立環境研究所と京都大学が中心となり2004年度から行われた研究の中間発表であり、「2050年に二酸化炭素排出量を、1990年レベルから70%削減」する具体的なシナリオを提起している。そこでは、科学技術に高度に依存する「ドラえもん」の世界と、自然共生を重視する「サツキとメイ」の世界という二つの将来ビジョンを掲げて、削減へのシナリオを提案している。それによれば、産業部門では、構造転換や省エネで25~40%、運輸交通部門では、適切な国土利用、エネルギー効率の向上、低炭素化などで70~80%、家庭部門では、高断熱住宅の導入や省エネの普及で50~60%、業務部門でも、高断熱と省エネで40%程度の削減が可能としている。これを実現する技術の相当部分はすでに存在しており、また、その費用も、年額10兆円程度で可能としている。このような具体的な提案は初めてであり、今後、更なる具体化が求められている。