2009年11月に起こった地球温暖化に関するデータねつ造疑惑。イギリスにあるイーストアングリア大学の気候研究ユニット(CRU Climate Research Unit)のメールサーバーにハッカーが侵入し、地球温暖化の研究に関連した電子メールと文書が不正に公開された。この中に、過去の気温の上昇を示すカーブとして、IPCCの第3次報告書に採用された図(アイスホッケーの選手が持つスティックに似ているので、ホッケースティック曲線と呼ばれている)をねつ造したことを示すメールがあるとして、地球温暖化懐疑派が大騒ぎしたため、ウオーターゲート事件にならって、クライメートゲートと呼ばれている。欧米では大きな騒動になっているが、日本ではそれほどの騒ぎにはなっていない。産業革命以降の気温の変動に関しては、他の研究機関や気象庁などの解析データも同じ傾向を示しており、疑問の余地はない。また、「最近の温暖化に関する人間活動の寄与は90%の確からしさ」というIPCCの第4次報告書の結論には変更はない。