晩秋から初冬にかけて木枯らしが吹くなど冬の寒さを感じたあとにある、風がなくおだやかで春のような晴天のこと。小春とは陰暦10月の異称で、現行の太陽暦では早い年には10月下旬に始まることがあり、遅い年には12月中ごろに終わるが、あまり日付にはこだわらずに使われている。西高東低の冬型の気圧配置になってもこの時期にはまだ長続きせず、冬型がゆるんだときや、大陸の高気圧が移動性となって日本付近をおおうときに現れる。外国にも似たような現象があり、アメリカでは「インディアンサマー」、ドイツでは「老婦人の夏」、イギリスでは「聖マーティンの夏」、ロシアでは「女の夏」などと呼ばれている。日本は「春」にたとえているのに対して欧米では「夏」にたとえていたり、現象の現れる時期が11月中ごろまでと日本より少し早いのは、欧米は日本より緯度が高いためであろう。