偏西風が流れている中で、同じ位置に長期間とどまる上空のトラフ・リッジのことをいう。気圧の等しい面(等圧面)は、地形のように起伏がある。谷のように低いところをトラフ、峰のように高いところをリッジと呼ぶ。リッジの西向きに進む速度と、ジェットによる東向きの移流が釣り合った状態と考えられ、偏西風をブロック(阻止)するような位置にできるのでブロッキング現象と呼ぶ。偏西風が著しく蛇行すると、暖気は北上し高緯度地方に高気圧を、寒気は南下して中緯度地方に低気圧を形成し、このような状態が長続きするようなことが起こるのである。同じ状態が続くので異常気象を伴うことが多い。1977年の豪雪、80年、93年、2003年の大冷夏、最近の例としては、10年夏のロシアの猛暑や、06年、12年の豪雪・低温があげられる。