まわり全体が白一色につつまれて視界がなくなる大気光学現象。暴風雪で激しく雪が降ったり地表に積もった雪が強い風で舞い上がったりする地吹雪のときや、霧が濃いときに生じる。地物は何も見えず、方向感覚も失われるので、目的地にたどり着けずに遭難したり、高速道路などでは多重の追突事故が発生したりする。ホワイトアウトは、もともとは主として極地域において、薄い下層の雲におおわれ、地表は一面の積雪状態のときに生じる現象のこと。雲を通過した太陽光と地表で反射した太陽光が、ともに雲と地表の間で散乱を繰り返すことにより、どの方向からも同じように光が届くので、地物に影は生じず、空からの光と地表からの光との差(コントラスト)がなくなって水平線が識別できなくなる。このようなホワイトアウトは、地上だけでなく上空においてもみられる。