2つの台風がおおむね1000キロ以内の距離に近接していると、互いに相手の風に流されて、2つの台風の重心(台風の強さが均衡する位置)を中心として反時計回り(南半球では時計回り)にそれぞれの台風が動くこと。「藤原」とは、台風のような渦巻きが相互に影響し合うときの運動について研究した藤原咲平(第5代中央気象台長、1884~1950年)に由来する。天気図などで2つの台風の動きを見ると回転運動をせずに、1つの台風がまず先行して、その後をもう1つの台風が追いかけていく場合もある。これは2つの台風の重心の位置が時間とともに動くことが関係しており、重心に対する2つの台風の相対的な位置を重ねると、藤原の効果で回転運動をしていることが分かる。北太平洋西部では2つ以上の台風が同時に存在することが多いので藤原の効果による不規則な台風の動きがよくみられる。