気象が人間や動物、植物など生物に及ぼす影響を研究する学際的な学問。時々刻々と変化する気象だけでなく、季節などのように長い時間スケールの気候の影響を対象とする研究は、生気候学(bioclimatology)と呼ばれる。自然の気象に加えて、ビルや住宅、温室などの建物内の人工的な気象も生気象学において研究されている。さらに、人が着用する衣服と人体表面との間における温度や湿度などを対象とした衣服気候という、クールビズやウォームビズにも関連する分野もある。気象が変化することで発症したり症状が悪化したりする気象病には、古傷の痛みや関節リウマチ、気管支ぜんそくなど多数ある。ギリシャ時代のヒポクラテスにまで気象と健康や病気との関係の研究についてはさかのぼることができるが、関心が高いにもかかわらず因果関係は複雑でなかなか解明できない時代が続いた。最近は生気象学における研究が進み、気象病や花粉症、熱中症などの予防に関連した予報や、紫外線の強さに関する情報などが発表されるようになりつつある。