冬期の成層圏で、1日程度で数十℃気温が上昇する現象。普通、成層圏の冬では、極渦と呼ばれる渦(極を取り巻く西風が卓越しており、極の上から見ると渦となっている)が卓越しているが、それが変形して、中緯度からの暖気が極域に入り込む形になることに対応している。また、高度の高いところから気温の上昇が起き、次第に弱まりながら下層に移動してくる。この理由としては、対流圏に起源をもつプラネタリー波と呼ばれる波動が鉛直に伝搬して振幅が大きくなり、砕波して成層圏の循環を変化させ、上昇流と下降流からなる鉛直循環を引き起こすことが挙げられる。下降気流が起きれば断熱圧縮が起き、気温が上昇することになる。