International Geosphere-Biosphere Program(地球圏-生物圏国際協同研究計画)の略語。 1986年に開催された国際科学会議(ICSU)の第21回総会で決定された、地球環境変化(Global Change)の研究を行う国際共同研究。この決定を受けて、国内でもさまざまな研究が行われた。特筆すべきは、日本政府が90年以降、IGBP事務局に対し、拠出金として、10万米ドル程度を提供したことである。目的は、「全地球システムの理解の中で、特に数十年ないし100年の時間スケールの変化で、人間による擾乱(じょうらん)を最も受けやすい生物圏にかかわる課題を重視し、研究の成果は実用的で予測能力につながること」と設定されている。活動は、コアプロジェクトとフレームワークで行われ、コアプロジェクトとしては、IGAC(International Global Atmospheric Chemistry Project,地球大気化学国際協同研究計画)、JGOFS(Joint Global Ocean Flux Study,全地球海洋フラックス合同研究計画)などがある。フレームワークとしては、GAIM(Global Analysis,Interpretation and Modelling,地球変化の分析・解釈・モデリング)や、 START(Global System for Analysis, Research and Training, 地球変化の分析・研究・研修システム)が有名である。その後の評価では、研究本位に行われ、社会への適応について不十分とのことから、IGBPを中止し、他の国際プログラムと共同したFuture Earthという新しい枠組みで研究が行われようとしている。