乾いたごく小さな粒子が大気中に大量に浮遊して光が散乱され視程(見通せる距離)が10キロメートル未満となった状態のことで、「晴れ」や「雨」などと同じ天気を表す気象用語。粒子の大きさは直径0.1マイクロメートル以下と小さいため、空は乳白色になることが多いが背景が暗いと青色、明るいと黄色みをおびる。いわゆるPM2.5は直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質そのものを指しているのであるが、煙霧が観測されている時にはPM2.5の濃度が高くなる。煙霧が観測されたりPM2.5の濃度を高くしたりする原因となる微粒子には、石炭などを燃やしたり、土が風で舞い上がったりするもののほか、自動車や工場からの排気ガスが大気中で粒子に変化するものもある。PM2.5などの微粒子は体内に入ると呼吸器系や循環器系の疾患と因果関係にあるといわれている。近年は東アジアの大陸から越境して来る大気汚染物質も煙霧の発生やPM2.5が高濃度になる原因となっている。なお煙(smoke)まじりの霧(fog)という意味のスモッグ(smog)という合成語があるが、これを直訳して「煙霧」とするのは誤りである。