水温が低下すると海水は密度が大きくなる。また塩分の濃度が高くなっても密度が大きくなる。この密度の違いにより海水は深くまで沈降し、底層水の流れを形成する。グリーンランドのある北大西洋では、海水が凍って表面には海氷が形成される。海氷は太陽の光線を反射するので海水の温度は上がらずに水はますます冷たくなる。また海氷の氷は真水に近いので、そのすぐ周辺の海水は塩分の濃度が濃くなる。この密度の違いによっても海水は深くまで沈降することになる。沈降した海水は大西洋を南下し南極に到達する。南極大陸周辺の海水はその周りを回り、どんどん冷やされて密度が大きくなり沈降する。ウェッデル海では特にこの現象が大きい。北極から南下した底層水はここで再び冷やされて北上していく。このようにして地球の海洋の循環が行われる(→「海洋大循環」)。