足(腕足)に硫化鉄でできた鎧(よろい)のような鱗(うろこ)をまとう巻貝(Crysomallon)の俗称。和名はウロコフネタマガイ。体の一部が金属から成る世界初の生物で、2001年にアメリカの研究者が発見した。その場所は00年に日本の研究チームがインド洋で初めて発見した熱水活動域「かいれいフィールド」の「文殊チムニー」である。06年2月、「しんかい6500」による調査が行われ、「文殊チムニー」以外の場所では発見できなかったが、観察の結果、鱗が同じ生息域に共生している捕食性のカニやエビの類から身を守る役割を持つと結論づけた。09年に「かいれいフィールド」で数千匹からなる大群集が発見された。生息環境としては、高温、高硫化水素濃度、低酸素濃度の条件である。新江ノ島水族館では、09年、スケーリーフットを海洋研究開発機構から移して水槽で大気圧下の条件で3週間以上にわたり飼育することに世界で初めて成功した。09年には「文殊チムニー」以外の場所で、硫化鉄をまとわない白いスケーリーフットが発見された。