金属硫化物からなる煙突状の突起物チムニー(→「ブラックスモーカー」)が林立し、300℃を超える高温の熱水が噴出する環境などに見られる深海生物群集。ガラパゴス海嶺に潜ったアメリカの潜水調査船「アルビン」号が、深さ2500mの場所で、世界で初めて発見した。その後、大西洋中央海嶺、東太平洋海膨、インド洋中央海嶺などのプレートの拡大軸に沿って見つかっている。日本近海でも沖縄トラフの伊平屋凹地や伊是名海凹さらに小笠原諸島海域の水曜海山などで発見されている。これらは火山フロントや背弧海盆の拡大軸である。熱水の中に含まれているメタンを基調とした化学合成生物群集で、二枚貝、巻き貝、チューブワーム、イソギンチャクなどが群がる。