深海底の山脈のような隆起部を海嶺(ridge)という。1950年代、アメリカのB.ヒーゼンが発見した、全海洋底を8万kmにわたって取り巻くような形で存在する深海底の大山脈は中央海嶺系と名付けられた。水深5000m程度の海底から2000~3000m盛り上がった山脈の頂上部には中軸谷が形成されており、地下深部からマグマが流出して海底に玄武岩の地殻を形成する。プレートが形成されて離れる境界である。マグマによって温められた海水は海底に噴出して熱水チムニーを形成し、その周りには奇妙な生態系(→「熱水噴出孔生物群集」)ができている。