熱水鉱床ともいう。海底下から噴き上がってくる高温の熱水に溶け込んだ銅、鉛、亜鉛などの重金属類を含む硫化物が、塊状または泥状に固まったもの。1965年、紅海の海底で高温の濃厚塩水と各種の重金属類を多く含む堆積物が発見された。77年から、アメリカの「アルビン号」などが、ガラパゴスや東太平洋海膨で次々と発見したブラックスモーカーなども多くの金属硫化物を含むことから、産出する海域が熱水鉱床の生成場所として注目を浴びた。日本列島周辺では伊豆・小笠原諸島明神海丘付近で、「しんかい2000」が大規模な海底熱水鉱床「サンライズ鉱床」を発見した。同じく伊豆・小笠原諸島のベヨネーズ海丘から「第二白嶺丸」によって海底熱水鉱床「白嶺鉱床」が発見された。これらの熱水は東北日本の第三紀中新世に形成された黒鉱鉱床の現代版として注目されている。2010年には沖縄トラフの伊平屋北の熱水系で地球探査船「ちきゅう」による掘削が行われた。