日本列島周辺の海底地形は、海洋プレートの沈み込みによって形成されている。太平洋プレートの沈み込みにより、大陸東端に背弧拡大が起こり、日本列島は大陸から分離して太平洋側へ移動し、日本海やフィリピン海などの背弧海盆が形成された。太平洋プレートの沈み込みで千島海溝、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝などが形成された。フィリピン海プレートの沈み込みで、南海トラフ、南西諸島海溝(琉球海溝)、フィリピン海溝などが形成された。フィリピン海プレートの東縁には伊豆・小笠原・マリアナ弧が南北に連なる。海溝軸と島弧との間には深海平坦面が存在する。フィリピン海プレートの中央には南北に九州・パラオ海嶺(古島弧)が連なり、その西側には西フィリピン海盆が広がる。東側には北部に四国海盆、南部に沖ノ鳥島海盆(パレスベラ海盆)が分布する。マリアナ弧には西に順にマリアナとラフ、西マリアナ海嶺が南北に並び、西マリアナ海盆が位置する。日本海の中の高まりである大和海嶺は、日本海拡大に際して取り残された地形らしく、その北側の日本海盆と南側の大和海盆を分ける。オホーツク海には南部に千島海盆という深みがある。西南日本弧の南には西フィリピン海盆との間に北から順に奄美海台、大東海嶺、沖大東海嶺がほぼ東西方向に伸びる。西南日本弧と中国の間には大陸棚が広がっている。日本海溝やその南北に連なる海溝の東方には広大な北西太平洋海盆が広がり、東端はカムチャツカ半島とアリューシャン列島の交差部沖から南南東に伸びる天皇海山列によって限られる。また、北西太平洋海盆の南は、小笠原諸島からハワイ海嶺中央部に向けて伸びる中央太平洋海山群によって限られる。北西太平洋海盆の中央にはシャツキ海台という深海底からの大きな高まりが存在する。日本近海には、この他に独立した大小の海底火山、海嶺、海盆、そして沖ノ鳥島、南鳥島、その他の環礁が海底から海面までそびえている。