海洋研究開発機構が開発したリアルタイム海底観測ネットワークシステムで、紀伊半島沖熊野灘に展開されている。これは南海トラフで起こるであろう東南海地震に備えて構築されたシステムである。南海トラフでは100年から150年の周期で巨大地震が起こっている。一番新しい巨大地震は1944年の東南海地震と1946年の南海地震で、その前は江戸時代の終わりの1854年の安政南海地震、さらに前は日本最大の地震であった1707年の宝永地震である。このネットワークは熊野灘沖に海底の観測点を20点設けて、それぞれの観測点には地震計や津波計(圧力計)などを設置し、それらを海底ケーブルで高密度につないで陸上局へ送り、そこを介して海洋研究開発機構へと送られる。これは2010年度に構築され、さらに今後は潮岬沖にも展開される予定である。このようなシステムの導入により海溝型巨大地震・津波の早期検知が行われ、防災・減災に大きく貢献する。