何かの引き金によって海の中の斜面の堆積物が動き出して、深い部分に高速で運ばれる現象。引き金になるのは地震、メタンハイドレートの気化、火山の噴火などで、斜面が不安定になる条件がある。陸上での大雨のために大量の土砂が一挙に海の中に運ばれた場合にも2次的に海底地すべりが発生することがある。海底地すべりが起こると海底の電線(海底ケーブル)が切れることがある。1927年カナダのニューファウンドランド沖で起こった地震で海底電線が次々と切られ、原因となった乱泥流堆積物が発見された。日本では1973年神奈川県西部の酒匂川(さかわがわ)で大雨による濁流で流れた土石流が、二の宮~グアム間の海底電線の切断事件を起こした。北海では最大500キロメートルにも及ぶ巨大な海底地すべりの原因が、海面変動などによるメタンハイドレートの気化による斜面の崩壊であると考えられている。火山の噴火では地中海のサントリニ島の噴火で起こった津波が海底地すべりを起こした。