化学合成生物群集の一種。殻の長さが13センチ程度の二枚貝で、殻の形が白瓜に似ていることからその名がついた。熱水噴出孔や冷湧水の湧出するような場所に生息している。前者はプレートが新たに生産される海嶺や背弧海盆であり、後者はプレートが沈み込む海溝の陸側斜面などである。シロウリガイはこのどちらからも見つかっているが、海域によって種は異なる。水深3000メートル以浅の拡大軸にいるシロウリガイは巨大で、まれに30センチもの大きさになる。深海底の6000メートルを超える海溝域のものは、細長いバナナのような形をしていて、南海トラフのように4500メートル程度の海域では太ったアケビのような形をしている。このような生息場所では、地下からメタンや硫化水素など、人類にとっては有毒なガスが湧き出してきていているが、シロウリガイは外とう膜にバクテリアを共生させており、バクテリアが硫黄や水素の化学反応によって放出した酸素をエネルギーとして得ている。海溝のように堆積物の豊富な海域では、シロウリガイは海底の泥の中に体を3分の2ほど沈めて生息している。それは地下から湧き出るメタンを有効に使うためである。一方、熱水域では堆積物が少ないのでむしろ熱水噴出孔に近い海底の表層に生息している。