駿河湾の真ん中を通って、その南西に南海トラフまでつながる南北性の細長い溝状の地形。駿河トラフは富士川の河口から南の南海トラフまでの短いトラフ(舟状海盆)で、プレート境界をなし、ここではユーラシアプレートとフィリピン海プレートが接している。富士川がそのまま駿河湾に流れ込んでいるかたちになっている。河口には三角州が形成されていない。水深は河口では0 メートルであるが南海トラフと交わるところでは3500メートルを超える。駿河トラフの中には2つのプレートが接しているために山間の河川の峡谷のような狭い部分があり、近くの陸上の地名を取って松崎ゴージや安良里(あらり)ゴージと呼ばれている。この狭いゴージの陸に違い側(この場合は富士川)には、富士川を起源とする厚い堆積物がたまっている。富士川は急流で河口には三角州をつくらずに海底のゴージがダムのような役割をしているために、厚い堆積物がたまる。駿河トラフの静岡側の斜面は急で何段もの段丘のような段を形成している。これは南西にある水深4800メートルの南海トラフからの延長で、付加体を形成しているためである。この段は逆断層によって陸側が隆起してできた。