星は暗黒の分子雲の中で誕生する。太陽質量の10万倍程度のガス・塵雲が自己重力によって収縮し続け、太陽質量程度の塊に分裂して原始星へ成長する。最初、ガス・塵雲は球状のまま収縮し(B335の観測例)、やがてその塊から大小さまざまなスケールで外向きのガス流が生まれる。その例がおうし座のL1551で、数光年ほどの中心部から高速ジェット流が飛び出している。ガス・塵雲は収縮するにつれて回転円盤状になる。オリオン座に見つかった円盤状のガス・塵雲のシルエットは50~1000天文単位(1天文単位は太陽から地球までの平均距離で約1.496億km)の大きさがあり、まさにそうしたものと解釈されている。やがてこれが原始惑星系円盤となり、その中で惑星が誕生することになると想像される。2014年、アルマ望遠鏡は原始星おうし座HL星を観測し、星のまわりに同心円状に塵の円盤が幾重にも並んでいる様子を電波画像として捉えることに成功した。この原始惑星系円盤は太陽系の3倍程度の拡がりを持っており、惑星形成の現場と考えられている。