膨張宇宙を説明するため、ジョルジュ・ルメートル(1930年ごろ)やガモフら(1948年ごろ)が提唱した宇宙形成論。宇宙はビッグバンと呼ばれる相転移をきっかけに火の玉状態で誕生し、爆発的に膨張する過程で水素やヘリウムが誕生し、それから第一世代の天体が生まれ、やがて現在見られるような星や銀河が形成されたとする。宇宙全体のヘリウム量や宇宙背景放射の存在などがビッグバン宇宙の観測的証拠とされる。その後、宇宙物質が一様に分布していることなどが問題となり、一般的に現在ではビッグバンの前に宇宙が一気に大きくなったインフレーションの時期があったと考えられている。日本においては時系列にインフレーションとビッグバンを分けて表現することが一般的であるが、インフレーション期も含めてビッグバン期と表現されている場合もあるので注意。