1965年に発見された宇宙のあらゆる方向からやってくるマイクロ波の電波雑音。波長1mmあたりがもっとも強く、絶対温度が3K(厳密には2.74K)、つまり零下270℃の黒体放射であった。これは、高温、高密度だった昔の宇宙が、膨張につれて3Kまで冷えたと解釈できることから、ビッグバン宇宙論を支持する証拠となっている。92年、NASAのCOBE衛星の観測から0.001%のゆらぎが検出され、宇宙の大規模構造の根拠とされた。2003年、NASAのWMAPによる観測は0.0001%のゆらぎを検出し、さらに13年にESAのプランク衛星が同様の観測を行った。これらの解析から宇宙年齢や宇宙の曲率などが求められ、宇宙論に新たな飛躍をもたらすことになった。