太陽系に属する小天体の一つ。ほうき星ともいう。直径数㎞~数十㎞程度、質量は地球の1兆分の1程度。金属やケイ酸塩鉱物などの固体微粒子とアンモニア、メタン、炭酸ガス、水などが凍結した天体で、太陽に近づくと表面が溶け、太陽と反対方向に尾をつくる。彗星の寿命は数万~数十万年にすぎず、次々と供給されていると考えられる。その供給源として、太陽系を球殻状にとりまく半径約1光年の彗星の巣(オールトの雲 Oort cloud)やカイパーベルトなどが想定されている。2005年7月、テンペル第1彗星に370kgの銅塊を激突させるディープインパクト計画が成功した。テンペル彗星は硬い氷の塊であり、表面はパウダー状の微粒子でおおわれているらしい。また、14年11月、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周囲していたESA(ヨーロッパ宇宙機構)の探査機ロゼッタは着陸機フィラエを軟着陸させることに成功した。なお、最近は、彗星と小惑星を太陽系小天体として統一的に扱う傾向になっている。