1999年9月にハワイのマウナケア山頂(4200m)に完成した日本の大型光学赤外線望遠鏡。1枚鏡としては世界最大級の有効径8.2mをもつ。鏡の変形を補正する能動光学、空気のゆらぎによる像の劣化を補正する補償光学、空気の乱れを抑える新型ドーム(円筒形エンクロージャー)など、新技術の導入とともに、複数の最先端観測装置を備え、2000年12月から共同利用による本格運用に入った。高い結像性 能と広い視野のカメラを装備していることが特徴で、それを活用して極めて遠方の天体を次々と発見するなど、最遠領域の観測で大きな成果をあげてきた。08年秋には多天体分光器FMOSを装着するなど、新しい装置の開発にも力を注ぎ、 世界最先端の観測的研究を行っている。他にも星形成領域の観測や新しい銀河 団、太陽系外縁天体などの研究でも活躍しているが、30m望遠鏡(TMT)建設計画が動き始めており、すばる望遠鏡の将来計画に注目が集まっている。