NASA(アメリカ航空宇宙局)が2001年6月に打ち上げた宇宙背景放射の非等方性(ゆらぎ)を観測する衛星。ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機。地球から150万kmの太陽とは反対側にあるラグランジュ点(L2)で、宇宙背景放射の温度ゆらぎを角分解能0.3度、100万分の1の精度で測定している。最初の1年間の観測結果が03年2月に発表された。宇宙年齢が137億年と求められた他、宇宙の誕生、進化を説明する宇宙論パラメーターが極めて高い精度で求められ、宇宙論研究に大きな飛躍をもたらした。08年3月、5年間の観測をまとめた結果が発表され、宇宙誕生から38万年時点で、宇宙は原子12%、光子15%、ニュートリノ10%、ダークマター63%という成分比であったことが示された。今日の宇宙成分は、プランク衛星の観測結果から原子5%、ダークマター27%、ダークエネルギー68%とされており、この間に大きな変化があったことになる。WMAPは10年9月、運用を終了した。一方、ESA(ヨーロッパ宇宙機構)はNASAと共同で、09年5月、WMAPと同様の目的を持った衛星プランクを打ち上げたが、13年10月で全計画を終了した。