1995年のIRTS(Infrared Telescope in Space、宇宙赤外線望遠鏡)に続き、日本が打ち上げた赤外線観測衛星Astro-Fのこと(→「赤外線天文学」)。2006年2月に打ち上げられ、11年11月、運用を終了した。口径68.5cmの望遠鏡に近・中間赤外線カメラ(1.8~26μm)と遠赤外線サーベイヤー(50~180μm)が付属しており、06年5月から07年8月まで全天サーベイ観測を行い、130万天体にも及ぶ赤外線天体のカタログを作成し、公開した。同種のカタログとしてはこれまで最多の天体をリストしている。対象は太陽系天体から近傍の恒星、星間物質、銀河、深宇宙まで広範に及んでおり、今後、ISO、スピッツァー、ハーシェルなどの欧米の赤外線衛星の観測データと補いあって、赤外線天文学の進展に大きく寄与するものと期待されている。