地球の影に月が完全に入り込んで満月が暗くなる現象。月の一部が欠けるのは部分月食。地球の影には全く太陽光の届かない本影と、太陽光が一部届く半影があり、半影月食も起こるが、通常、これは月食には含めない。黄道面(地球の公転軌道面)と月の軌道面は傾斜していて、月食が起こるのは両軌道面の交点に太陽と月が対峙した時に限られるため、月食が起こるのは年に0~3回である。月面に落ちた地球の影の形が丸いことから、古代ギリシャでは地球を球体と考えていた。また、その影の大きさが月の約3倍あることから、地球直径を月の約4倍と推定していた。このように地球の影は大きいため、金環日食のような現象は起こらない。わが国で次に皆既月食が見られるのは18年1月31日である。皆既月食の見どころは皆既中の月面の色合いで、しばしば赤銅色と形容されるように透明感あふれた赤黒い色彩が美しい。ただ、これを観賞するには望遠鏡や双眼鏡が必要となる。また、時には全く見えなくなることもある。(→「日食/月食」)