宇宙で最も低温の領域を持つ星雲。2013年、完成したばかりの電波望遠鏡群アルマ(アルマ)によって観測されて、広く知られるようになった。ブーメランのような形に見えたことやオーストラリアで発見されたことから命名された。ケンタウルス座のかなた5000光年にある惑星状星雲で、1995年、絶対温度で2.7℃の宇宙背景放射を吸収していることから、それより低温の絶対温度1℃と判明した。中質量の星が進化の最終段階になって外層がはがれ、高温の中心核がむき出し状態になったものが惑星状星雲と考えられているが、このブーメラン星雲はその初期段階にあり、外層が高速で膨張しているため、冷蔵庫の冷却と同様の断熱効果によって低温になっていると考えられている。現在はこの冷却効果の方が中心核が温める効果よりきいているが、やがて逆転し、通常の惑星状星雲になる。