ヨーロッパ宇宙機構(ESA)が2013年12月19日に打ち上げた高精度天体位置観測衛星(→「位置天文学」)。銀河系内の天体の1%にあたる10億個の恒星の3次元分布を明らかにする。5年にわたって70回位置を計測し、距離や運動状態、化学成分や表面温度等を求め、銀河系の構造や進化を研究するための材料とする。1997年に発表されたヒッパルコス衛星カタログの200倍の精度が得られるという。測定機器は3台搭載されていて、主力の2台の位置測定用望遠鏡は縦0.5m、横1.45mの反射鏡から成り、焦点面に並んだ106個のCCDが受光する。当初、遠方天体のわずかな視差を測定するため干渉計式が計画されたが、開発に困難を極めたため、結局は通常の撮像光学系となった。しかし、GAIAという名称にある干渉計interferometerという表現はそのまま残された。測光用望遠鏡は低分散プリズムを用いた分光器で、恒星の温度や質量などのデータ取得を目的としている。視線速度測定用望遠鏡には高分散分光器が装着されていて、ドップラー効果を利用して秒速1kmから30kmまでの視線速度を測定する。