太陽系形成期に原始太陽系円盤が消えた後、形成されたばかりの巨大惑星が現在の位置へ移動したとする説。2005年、フランス、ニースのコートダジュール天文台の研究者が後期重爆撃期やカイパーベルト天体やオールトの雲などの太陽系外縁部の小天体を説明するために提案した。それによると、木星や土星などの大型の木星型惑星は、現在、太陽から5.2から30天文単位の間に分布しているが、誕生直後は5.5から17天文単位の間と、現在より狭い領域にあって、きれいな円軌道を描いていた。これらに多数の微惑星が接近し、その回転能力を奪ったり、あるいは加えたりしたため、木星はやや内側に移動し、他の3惑星は外に動いた。同時に、微惑星の運動はひどく乱れ、多くは内側に移動して行って、後期重爆撃期を迎えた。現在、木星と土星は太陽からの距離がそれぞれ5.2、9.6天文単位と1:2の関係にあるが、それはこの緩和過程で生まれたとするモデル。