アメリカの核物理学者ワインバーグ(Alvin Weinberg)が1972年の雑誌Minervaの論文で提示した用語。科学と政治の間にある、科学に問うことはできるが科学では答えることのできない領域のこと。例えば、ある有害物質の毒性を科学が定量的に示すことができる場合でも、どの程度のリスクまで社会が許容するかは、科学的には定めることができず、政策的な決定の課題となる。レギュラトリーサイエンスでは、この領域は非常に重要な位置を占める。科学論者のラベッツらは、類似の概念として、ポストノーマルサイエンスという用語を提唱している。特に安全(Safety)、健康(Health)、環境(Environment)、倫理(Ethics)に関係する分野(総称してSHEE)では、科学者以外のステークホルダーの関与が科学的意思決定に求められるという。