科学の応用から技術が生まれるというリニア・モデルでしばしば使用される用語。おおまかにいえば、基礎(あるいは純粋)研究は研究者個人の興味と好奇心のみによって行われる研究活動、応用研究はその成果を実用可能な技術に転換する研究、開発研究は最終的な商品の開発を念頭に置く研究である。このほかに、具体的な開発目的は設定しないが10年程度先には何らかの応用・開発に結び付くことが期待されるような研究をさして、戦略的(基盤的)研究( generic technology )と呼ぶことがある。第二種基礎研究という概念もこれに近い。近年の研究によると、科学研究における基礎と応用の区別は、1920-30年代に初めてなされたという。2014年前後から、日本の科学技術政策の現場では、学術研究、戦略研究、要請研究という別の分類軸を立て、基礎・応用・開発の軸とあわせて、研究を3×3の9種類に分類する新たな試みもなされている。この立場に立てば、応用的であっても学術的である工学研究の存在などが説明しやすい。