もともとは、公的機関などが福祉や地方自治の場面などで、通常以上に一般に手を差し伸べることを意味する。科学技術分野では、研究者や研究機関が、科学技術の内容をシンポジウム等で一般社会(異分野の専門家を含む)に分かりやすく知らせ、社会の支持を受けるための活動のことをいう。科学技術の成果が善であることが自明だった時代には必要性はあまり高くなかったが、科学技術予算の削減や科学技術と社会の不調和が懸念されることで重視され始めた。主に科学者、技術者の立場から研究成果発表や国際会議なども含むサイエンス・コミュニケーションを表現する場合に用いられ、科学技術から社会への一方向の傾向が強い。ただし、最近ではアウトリーチ活動でも双方向コミュニケーションに配慮する流れが見られる。