2014年1月、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターのユニットリーダーの小保方晴子研究員、ハーバード・メディカルスクールのチャールズ・バカンティ教授、山梨大学の若山照彦教授が、酸や細い管を通すといった簡単な刺激で新しい万能細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞、STAP細胞)を生み出したとして科学雑誌『ネイチャー』に2編の論文を発表した。当初、センセーションを巻き起こしたが、画像の改ざんや捏造、解析結果の誤りが指摘され、半年後の7月に論文は撤回されるに及んだ。これに先立つ6月、理化学研究所が設置した外部有識者による改革委員会は、発生・再生科学総合研究センターの解体を勧告。また、責任追及の中で副センター長、笹井芳樹教授が8月に自殺するなど、科学界を揺るがす混乱が続いた。