自然数(natural number)は1, 2, 3, ……と前の数に1ずつ加えるとして定義される。整数(integer)は自然数と自然数にマイナスをつけたもの、そして0を含める。有理数は整数を自然数で割った形のものとすればよい。しかし、無理数を加えて実数となると、このような帰納的な定義はできない。一方、極限の議論が完結しないのは、実数がはっきりしないためであることもわかってきた。「実数とは何か」という問題は、数学の本質にかかわる、しかもかなりの難問であったが、R.デデキントが“切断(cut)”の概念を導入してこれに決着をつけた。つまり、「有理数のすき間を無理数で埋めて連続にしたものが実数である」としたのである。