ある量について得られた値と「真の値」との差を誤差といい、とくに測定によるものを測定誤差(measurement error)という。長さや重さなど連続的な量の測定には、誤差は避けられず、そもそも「真の値があるのか」という根源的な問題もある。
この他に計算による誤差として、円周率(π)=3.14…を3.14と入力することによって起こる誤差、処理の際に用いられる計算式による誤差、計算の各段階で数値を丸めて(たとえば1/3を0.333333とする)生ずる丸め誤差(round-off error)などがある。
誤差/真の値は、相対誤差(relative error)という。誤差あるいは相対誤差が小さいときに、近似値といい、認めうる誤差の値を許容誤差(error tolerance)という。たとえば、複利計算では許容誤差を認めると、計算量を飛躍的に減らすことができる。
現・学習指導要領がもたらす「計算量の軽減」は、「誤差の感覚の低下」につながりかねず、心配である。