円形の運動を、円盤等の外周に刻んだ凹凸をかみ合わせて確実に伝えるもの。歯車の歯の数は直径に比例し、回転数は直径に反比例する。円周率と円周の関係こそ、比例・反比例のよい教材である。
しかし、現行の学習指導要領は、比例・反比例の題材として「比例係数の簡単なもの」というしばりを設けたため、この適切な題材が扱えなくなってしまった。
時刻は60進法であるが、歯車で秒針、分針、時針を考えると、この60という数字は絶妙である。たとえば、「59分で1時間」という決まりならば、時針は分針の59倍の直径が必要となり、歯車式の腕時計は成立しなかっただろう。60分で1時間であるから、同軸歯車を用いて、4倍、3倍、5倍の歯車の組み合わせを用いて60倍の速さを実現できたのである。