同じ、歯車を2個持ってきて、1個を固定し、もう1個をその周りを公転させながら回していく。このとき、動く歯車は何回転するだろうか。
なんとなく、歯車の歯の数が同じだから、1回転と答えてしまうかたが多い。実際には2回転である。100円硬貨で試してみればよい。
固定した歯車が回転する歯車のn倍だと、回転する歯車が固定した歯車の周りを1周して戻ってくる間に、n+1回転する。逆に、歯車Aのn倍の直径の円の内側に歯を付けて、その中を歯車Aが回転しながら進むと、Aはn-1回転することになる。
その説明は次のようにできる。回転する歯車の周のn倍の長さをもち、表面に歯車とかみあう凹凸を刻んだ平らで直線状な板(ラック)を用意し、この上に歯車を転がして端まで行くとn回転する。次にこのラックを歯車の円周に巻いて、端を端にくっつけると、そのときさらに1回転することになる。内側を回る場合は、端と端を逆方向にくっつけるので、-1回転する。
このことから、次のことがわかる。
太陽系以外の恒星から観測すると、地球の自転周期は実は23時間56分4秒である。実際は1年で366回転しているが、太陽を中心に考えると公転の1回転分が加算されず、365回転と認識するのである。よって、
1年=365×24時間=366×(恒星から見た自転周期)
が導かれる。この計算から、(恒星から見た自転周期)が24時間より約4分少ないことが示される。