三葉結び目(さんようむすびめ)とも呼ばれる。メービウスの帯よりひねりを1回多くして、帯を1回転半ひねって両端をくっつけた帯の端の曲線も三つ葉結び目となる(図「三つ葉結び目」参照)。
三葉結び目はほどけない結び目の中で、もっとも簡単なもので、自然現象の中にも現れる。この結び目の理論はDNAの鋳型となるRNAの構造解析などにも使われている。また、芸術分野においても、リチウムイオン電池などの小型二次電池に使われているリサイクルマークなどは、デザイナーがこの三つ葉結び目を意識したものと思われる。
この曲面を太くして真ん中の空間が見えないように折ると、正六角形ができる。この六角形の対角線状で折り目を付けると、表面にも裏面にも折り目にそって三角形が6個並ぶことになる。この三角形一つひとつに、たとえば表面には赤のシールを、裏面には青のシールを貼り、メービウスの帯をひっくり返すように操作すると、一瞬で別の面が現れるというパズルになる(図「1回半ひねりの帯でできた六角形のパズル」参照)。この遊びは数学者が作ったもので、この例では三つの面が反転するだけだが、紙の形と折り方を変えれば、現在では24面まで出せる折り方も考えられている。