量子状態を測定すると、重なっている状態の一つが確率的に選択されて、観測される。この際に波動関数の収縮が起こるとするのがコペンハーゲンのN.ボーアの解釈である。当初は観測の擾乱で粒子の位置と速度の不確定さの積には下限があるといったW.ハイゼンベルグの不確定性関係(uncertainty relation)が強調されたが、後に量子状態の干渉性を壊さずに状態を制御する技術が現れた。量子力学での実在と観測をめぐっては、シュレーディンガーの猫(Schrdinger's cat)やEPR状態のパラドックス(→「量子もつれ」)、並列多世界解釈(The Many-World Interpretation)などの論議があったが、近年はこれらを利用する量子情報(quantum information)、量子計算(quantum computation)、量子暗号(quantum cryptography)が論議されている。