陽子の反粒子である反陽子(antiproton)と、電子の反粒子である陽電子(positron)とからなる原子を反原子という。加速器で作った素粒子を減速する技術で、CERN(ヨーロッパ合同原子核研究機関 フランス語のConseil Europen pour la Recherche Nuclaireに由来)は反陽子に陽電子が束縛された反水素原子(anti-hydrogen)の合成に成功した。また、電子をμ-、π-、K-、p-で置き換えた原子や分子も作られた。レーザー冷却で低温の反原子も作れる。相対論的な重い原子核の衝突後には反ヘリウムの核の秘跡が発見されている。2009年公開のロン・ハワード監督、トム・ハンクス主演の映画「天使と悪魔」で、反原子が話題になった。