砂、米粒、砂糖など粒状物質の集合体を総称して、粉体または粉粒体という。粉体は場合によって流体のように流れたり固体のように固まったりするが、流体とも固体とも異なる独自の運動形態をもっている。砂時計が上に残っている砂の量によらず一定速度で砂を流し続けることや、砂丘に見られる風紋などにその独自性が見られる。粉体の研究は古い歴史をもつが、流体のナヴィエ・ストークス方程式(→「流体物理」)に相当するような基礎方程式が知られておらず、種々の経験則や現象論に頼らざるを得ない。しかし近年、非線形現象の科学の進歩と計算機能力の飛躍的向上にともなって、その基礎研究が活発化してきた。