一般相対論は三次元の曲がった空間の時間的発展を決める法則とみなせる。今、空間のある部分をある限度以上に曲げると、その部分が必然的に特異点(singularity point 時間・空間が定義できなくなる点)を含む構造に発展していく。これをR.ペンローズ、S.W.ホーキングの特異点定理(singularity theorem)という。この時空の重力崩壊で、特異点が外部の観測者から見えない事象の地平線(event horizon)の面で囲まれた時空構造ができる。これをブラックホールという。また、裸の特異点(naked singularity)はできないという仮説を宇宙検閲(cosmic censorship)の仮説という。特異点は古典的理論の限界であり、時空の量子論の課題である。