1908年にH.ミンコウスキーが特殊相対論を説明するために提出した空間で、三次元空間の3軸のほかに時間軸を加えた四次元空間(時空)。ある時のある場所での事件(event)はこの空間内の一点(世界点 world point)に対応し、事件の連続は線(世界線 world line)として表現される。光速度は一定であり、ある世界点からいろいろな方向に進む光の束は光円錐(ライトコーン light cone)という面を作る。物体の速度は光速度以下なので、世界線は光円錐の内側の時間的領域(timelike region)にある(光円錐の外側は空間的領域 spacelike region)。ある事件「O」と因果的に関係する事件はすべて、「O」に対して未来と過去の領域に分けられる時間的領域(光円錐の内側)に含まれ、光速を超えなければ到達できない空間的領域の事件とはいっさい関係をもたない。そして、因果的に無関係な空間的領域の事件の間には絶対的な時間の前後関係はつかない。これを同時刻の相対性(relativity of simultaneity)という。