電子のように電荷をもつフェルミオン(fermion 半整数値のスピンをもつ素粒子。フェルミ粒子ともいう)の場合には、4成分のフェルミオンがある。カイラリティ(左巻きと右巻き)と粒子反粒子荷電共役という二つの分類に対応した4成分である。ところが、ニュートリノのような電荷がない中性のフェルミオンでは、荷電共役の分類は不必要になる。そこで二つの仮定が可能である。一つは「不必要でも区別がある」とするもので、ワイル粒子と呼ばれる。もう一つは、「不必要だから区別がない」とするもので、マヨラナ粒子と呼ばれる。「ワイル」はヘルマン・クラウス・フーゴー・ワイル(Hermann Klaus Hugo Weyl)「マヨラナ」はエットレ・マヨラナ(Ettore Majorana)と、ともに人名である。超対称性(→「超対称性粒子」)をもつゲージ理論を展開するに際、これら二つのタイプのフェルミオンが登場することになり、例えばフォティーノ(photino 光子の超対称性粒子)やニュートラリーノ(neutralino ニュートリノの超対称性粒子)はマヨラナ粒子となる。