特殊相対論によると、エネルギーE、運動量p、質量mの間には、
E2=m2c4+p2c2(cは光速度=秒速約29万9792km。本来は左辺は“E2”ではなく“E”、右辺には全体に“√”を付けて表記する)
の関係がある。したがって、静止した物体(p=0)では、
E=mc2
となり、物体には莫大な質量エネルギーが内蔵されていることになる。この式をアインシュタインの関係式(Einstein’s relation)ともいう。質量エネルギーの一部は原子核や素粒子の反応で実際に解放され、原子核の反応では全質量エネルギーの1000分の1が解放される。太陽が原子核反応で生み出す膨大なエネルギーは、地球1個分の質量エネルギーを約500万年かけて消費するのに等しい。また、電子とその反粒子である陽電子とが衝突して消滅する消滅反応では、質量はすべて光のエネルギーに変わり、またガンマ線による電子・陽電子対の生成反応では、エネルギーは質量に変わる。このようなエネルギーと質量の間の相互転換は、素粒子反応ではひんぱんに起こっている。